以前、僕の女友達からこんな話をされました。
「ねぇ、女に化粧品送る男って、どういう神経してんの!?」
相当腹を立てているらしく、
彼女は凄まじい勢いで文句を言っているのですが、
あまりに喋るのが速いために聞き取れません。
ひとまずコーヒーをおごり、ゆっくりと話を聞いてみました。
概要はざっくりと、以下のような内容です。
彼女の知り合いに、最近何かと彼女にアピールをしてくる男性がいるとのこと。
とはいえ彼女にその気は無く、さりげなくお断りの旨を伝え続けているのですが、
一向に効果は無く、その男性はしつこいくらいにアピールを続けてきたとか。
そして、僕が彼女の激怒の理由を聞くことになった前日、
その男性がプレゼントを渡してきたのだそうです。
「最近、評判の化粧水なんだ。良かったらどうかなと思って」
そう言って、綺麗にラッピングされた化粧水と紙袋を渡し、
「今度、良かったら食事でもどうかな」などと誘ってきたそうなのですが……。
「ありえないと思わない!? 化粧水よ!?」
彼女はそのプレゼントに対して、大層御立腹のようでした。
「まるで私の肌が荒れてるって言ってるようなもんじゃない!」
……なるほどな、と思いました。
男性の側としては、気を利かせたプレゼントだったのかもしれません。
女性なら、評判の化粧水なんか喜ぶんじゃないか、と。
ただ、女性の立場から考えた場合、話は大きく変わってしまうでしょう。
女性は当然ですが、自分を魅力的に見せるために化粧をします。
それぞれに化粧品の好みもあるでしょうし、
化粧水のような肌に影響を与えるものは、体質なども大きく関係します。
その女性が自分をいかに美しく見せるかを考え抜いて、
自分が思う最高の化粧を施したにも関わらず、
そこで「この化粧品はどう?」などとオススメしようものなら、
彼女の化粧そのものを否定する形になってしまう訳です。
車好きの男性でしたら、こう例えれば良いでしょうか。
「あなたの車に似合うと思って買ってきたの。プレゼント!」
と言って、全然好みではないステッカーを渡されるような。
……ちょっと違うかもしれませんが。
ともあれ、彼女はその男性に相当キツく「迷惑だ」と告げ、
二度と自分に近付かないで欲しいとまで言ったそうです。
結局、その化粧水はどうしたの? と聞くと、
「突き返したわよ! それでも渡してくるから、ゴミとして捨てるって言ってやったわ!」
と、額に青筋を立てて言い放ちました。
「ねぇ、どういうつもりなの!? 男ってなんなの!?」と詰問され、
多分、化粧というものを理解してなかったんだと思うと説明しましたが、
正直、何で僕が男性代表として怒られる立場になっているのかなと、
非常に微妙な心持になりました。
とはいえ、女心というものをひとつ、学べたような気がします。
良かったのやら、悪かったのやら。